1980年代の洋楽シーンは、技術革新(シンセサイザーとデジタル録音)とメディアの変化によって劇的に形成され、ジャンルの多様化とスーパースターの台頭を特徴としています。1981年に音楽専門チャンネル「MTV」が開局したことは、音楽業界に革命をもたらしました。アーティストにとって、音源だけでなく、視覚的なイメージやスタイルが重要になりました。派手な衣装、凝った演出のビデオクリップが次々と制作され、人気を左右する大きな要因となりました。マイケル・ジャクソン、マドンナ、プリンスといったアーティストは、MTVを通じて世界的なアイコンとなりました。特にマイケル・ジャクソンの『スリラー』は、アルバムとしてもミュージックビデオとしても記録的な成功を収めました。

ミュージシャン(バンド含む)ジャンル解説
マイケル・ジャクソン (Michael Jackson)ポップ、R&B「キング・オブ・ポップ」。アルバム『スリラー』は史上最も売れたアルバムとして知られ、MTV時代を象徴する革新的なミュージックビデオで世界的な現象を巻き起こしました。
マドンナ (Madonna)ポップ、ダンス「クイーン・オブ・ポップ」。ファッションや音楽で常に時代の最先端を走り、女性アーティストの地位を確立しました。
プリンス (Prince)ポップ、ファンク、ロック唯一無二の音楽性とスタイルで知られる天才アーティスト。映画『パープル・レイン』も大ヒットしました。
ジャーニー (Journey)ロック、AORスティーヴ・ペリーのハイトーン・ヴォーカルが魅力。「オープン・アームズ」は日本でも特に人気が高いバラードです。
デュラン・デュラン (Duran Duran)ニュー・ウェイヴ、シンセポップMTVを駆使した美しい映像のミュージックビデオで絶大な人気を博した、ブリティッシュ・ニュー・ウェイヴの代表格です。
カルチャー・クラブ (Culture Club)ニュー・ウェイヴ、ポップボーイ・ジョージの個性的なルックスと歌声で一世を風靡したバンド。「カーマは気まぐれ」など多くのヒット曲があります。
ワム! (Wham!)ポップジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーのデュオ。「ケアレス・ウィスパー」「ラスト・クリスマス」など、世界中で大ヒットを記録しました。
U2ロックアイルランド出身のロックバンド。1987年のアルバム『ヨシュア・トゥリー』は世界的に大成功を収め、世界的なバンドの地位を不動のものにしました。
ザ・ポリス (The Police)ニュー・ウェイヴ、ロックスティングを中心とするトリオバンド。「見つめていたい」は80年代を代表するヒット曲の一つです。
ユーリズミックス (Eurythmics)ニュー・ウェイヴ、シンセポップアニー・レノックスのソウルフルな歌声と、デイヴ・スチュワートによるシンセサウンドが特徴。「There Must Be an Angel」「Sweet Dreams (Are Made of This)」が有名です。
クイーン (Queen)ロック70年代から活躍していますが、80年代も「地獄へ道づれ」や、ライブ・エイドでの伝説的なパフォーマンスで絶大な人気を誇りました。
ハート (Heart)ロック、ハードロックアン・ウィルソンとナンシー・ウィルソンの姉妹を中心としたバンド。70年代から活躍し、80年代も「Alone」などのパワーバラードでチャートを席巻しました。
シェーナ・イーストン (Sheena Easton)ポップ「Morning Train (Nine to Five)」などのヒット曲を持ち、グラミー賞も受賞したスコットランド出身のシンガーです。
ボン・ジョヴィ (Bon Jovi)ハード・ロック、グラム・メタル「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」など、キャッチーなメロディのロックで世界中のスタジアムを沸かせました。
ヴァン・ヘイレン (Van Halen)ハード・ロック、ヘヴィ・メタルエディ・ヴァン・ヘイレンの革新的なギター奏法が特徴。サミー・ヘイガー加入後の80年代も「ジャンプ」などが大ヒットしました。アルバム「1984」はBillboard 200で、マイケル・ジャクソンの『スリラー』に次ぐ、自身最高位の2位を記録。
シンディ・ローパー (Cyndi Lauper)ポップ、ニュー・ウェイヴ個性的なファッションと歌声で人気を博した女性アーティスト。「タイム・アフター・タイム」などがヒットしました。
ホイットニー・ヒューストン (Whitney Houston)R&B、ポップ、ソウル圧倒的な歌唱力で「そよ風の贈りもの」など多くのバラード曲をヒットさせ、80年代を代表するディーヴァとなりました。
a-ha (アーハ)シンセポップ、ニュー・ウェイヴノルウェー出身の3人組。「テイク・オン・ミー」の革新的なアニメーションMVはMTVで大きな話題となりました。
スタイル・カウンシル (The Style Council)ブルー・アイド・ソウル、ポップザ・ジャム解散後、ポール・ウェラーが結成したバンド。洗練された都会的なサウンドが特徴でした。